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革 水シミ

革の水シミの落とし方とは?革バッグや革靴のお手入れの豆知識

革製品の弱点は「水」です。

革製品を使っていると、雨や飲み物による水シミは、どうしても避けられないものです。
革に水がしみ込む前にふき取ることが出来れば、跡が残らないこともありますが、気づいたらシミになっていた!ということもありますよね。

今回は、そんな水シミが出来てしまった時の対処法についてご紹介します。
そもそも、革は水に濡れるとなぜシミが出来てしまうのでしょうか?
 
 

水シミになる原因とは?

革 水シミ 原因
 
水分に弱いと言われている革製品の中でも、水シミが出来やすいものと出来にくいものがあります。

その違いは、革表面がどれだけコーティングされているかです。

革の表面が、塗料や樹脂で厚く覆われている革製品は、多少水に濡れても塗料や樹脂のおかげでほとんど染み込むことがありません。

一方、ヌメ革などの、革の表面にほとんど塗料などを施さず、素材の風合いを生かした革製品には、水分が染み込みやすく、水シミになりやすいのです。

シミになりやすい革の場合は、使用前に防水スプレーやオイルを塗っておくと、多少の水濡れにも効果が期待できます。

ですが、事前に防水対策をしていても、濡れたらすぐに水分をふき取って、自然乾燥させるようにしましょう。
 
 

すぐできる対処法 「革全体を濡らす」

革の水シミ 全体を濡らす
 
『気づいたら水シミが出来てしまっていた!』という場合は出来るだけ早めに対処します。
水シミは、水に濡れている部分とそうでない部分の水分量の違いから、濡れた部分だけ革の色が濃くなっている状態です。

そのため、濡れた部分だけ色が濃くなっているのを目立たなくするには、革全体を濡らすという方法があります。
少々手荒ですが、濡れていない部分も濡らして、水シミを目立たないようにする、ということですね。

全体的に濡らすため、乾いた後は若干色味が濃くなります。
それでは、革全体を濡らす方法をご紹介しますね。
 
 

水シミを目立たなくする対処法「革全体を濡らす」手順

 

  • ①乾いた布で濡れた部分の水分をふき取る

  • ②固く絞った布で全体を均一に濡らしていく

    水シミが出来ている部分と同じくらいの色味になるように濡らします。
    擦(こす)りつけるのではなく、優しくポンポンと水分を染み込ませていくような感じです。
    強く擦ると色落ちの原因になりますので注意しましょう。

  • ③自然乾燥させる

    ドライヤーなどで熱を加えると革が痛みますので、風通しの良い日陰で乾燥させます

 
水シミが出来てすぐにこの方法で処置すれば、ほとんどわからない程度になります。

ただし、水に濡らしているので油分が抜けて革が乾燥している状態です。完全に乾いてから、オイルを塗るなどして潤いを補給しましょう。

次に、水シミが出来てから時間が経ったときの対処法についてみていきましょう。
 
 

シミ抜きの方法

革の水シミ 2種類のクリーナー
 
革にいつ出来たのか分からないシミを見つけたり、シミが出来ているのには気づいていたけど、『そのうち目立たなくなるだろう』と思って放置してしまったりすることもあると思います。

そんな時間が経ってしまったシミを目立たなくするには、これからご紹介する方法を試してみてください。

ただし、水に濡らす方法と同じく、革の色味が少し変わりますので、高価なものやデリケートな革製品についてはクリーニングに出すほうが無難です。
 
 

時間が経ったシミの対処法 「2種類のクリーナーを使う」

 

  • ①消しゴムタイプの革用クリーナーでシミの輪郭をぼかすように優しく擦(こす)る

    なるべく力をかけずに、小刻みに擦ってみましょう。
    力を入れすぎると色落ちしてしまうので気を付けてください。
    薄いシミであれば、擦るだけで目立たなくなることもあります。
    ですが、擦ることで表面が多少削れ、艶がなくなっていると思いますので、次の手順で栄養分を補給します。

  • ②デリケートクリームというクリームタイプのクリーナーを塗ります

    乾いた柔らかい布にクリームをつけてなじませ、薄く塗っていきます。
    クリームを塗ってすぐは、革の色味が濃くなると思いますが、10分ほどで落ち着きます。

 
以上が、時間が経ったシミへの対処法です。

これで、シミの部分とそうでない部分の差が少し目立たなくなります。

ただし、特にヌメ革の場合、クリームに含まれる栄養分で、革の色味は処置する前よりも若干濃くなっていると思います。

多少色味が濃くなっても構わないという方は、一度試してみてくださいね。
 
 

まとめ

 
今回は、革の水シミについて、革全体を濡らす方法と、2種類のクリーナーを使う方法についてご紹介しました。

革製品の水シミ対策は、事前に防水スプレーやオイルを塗ってシミが出来ないようにするのが一番の予防です。

それでも水に濡れてしまった場合は、出来るだけ早めに対処しましょう。

防水対策がしっかり出来ている場合は、革に水が染み込みにくくなっているため、すぐに乾いた布でふき取れば、シミになりにくいです。

気を付けていても水シミが出来てしまった、という時には、今回ご紹介した方法を試してみてください。

どちらも、一度で効果が出ない場合には、日にちを置いて数回繰り返してみても良いと思います。

革製品は、お手入れ次第で長く使い続けられるもの。
あきらめずに試してみてくださいね。

なお、私たちごとう製革所では、革に撥水(はっすい)加工を施した水シミをしにくいレザーも開発しています。

そのレザーは現在、TRADというブランドのシューズやカバンでも使われていて、『ナチュラン』、『STYLE STORE』といった人気通販サイトでも取り上げられました。

もし、水シミをしにくいレザーを使ったシューズにカバンに興味がある方は、こちらのページも覗いてみてくださいね。

革 加工 種類

革の加工の種類やそれぞれの特徴について

つやつやとした光沢のある革や耐水性のある革など、一言に革といってもさまざまな特徴の革がありますよね。
こういった革には、どのような加工が施されているのでしょう?

今回は、革の様々な加工方法についてご紹介したいと思います。
 
 

革の加工とは?

 
革を作る製革工程の中では、求められる品質に応じて革に様々な加工を施します。
表面を削ったり、塗料でコーティングしたり、オイルを染み込ませたり・・・加工を施すことによって、色々な特徴を持った革が出来上がります。

革に施す加工とは、キズなどの欠点を隠す意味合いもありますが、何よりも、革の持つ豊かな可能性を引き出すものと言えるでしょう。

それでは、加工の種類と革の特徴についてみていきましょう。
 
 

革の加工の種類と革の特徴

 

ガラス張り革

 
通称ガラス革とも呼ばれます。

主に牛革をなめした後、表面が平滑なホーローや金属板に特殊な糊で貼り付けて乾燥させます。
その後、銀面(革の表面)を軽く取り除いて、塗料を塗って仕上げた革のことです。

銀面が荒かったり、損傷が多い革に用いられます。

つやつやとした表面には、塗装が施されているので丈夫で汚れにも強いです。
靴の甲部分や、バッグなどに使用されることが多いです。
 
 

エナメル革

 
革の表面にエナメル塗装を施した革のことです。
パテントレザーとも呼ばれます。

塗装には、ウレタン樹脂などが使用されます。
表面を分厚くコーティングしているため、ある程度の防水性、耐久性を備えています。

光沢が美しいことから、礼装用や、女性用の靴の甲革、ハンドバッグなどに使用されます。
 
 

ブライドルレザー

 
植物タンニンなどでなめした牛革に、ロウ(ワックス)を浸透させた革です。

何度もロウを塗りこむことで防水性が高まり、美しい光沢がうまれます。

イギリスで1000年以上前から続く伝統的な製法です。

塗りこんだロウが白い粉として表面に浮き出ることがありますが、乾いた布でこまめにふき取ると、深い艶が出てきます。

元は馬具のために作られた革のため、丈夫で長持ちすることから、男性用のバッグや財布等に使用されることが多いです。
 
 

オイルレザー

 
植物タンニンでなめした革に、たっぷりとオイルを浸み込ませた革です。
オイルは、牛や魚などの動物性のものや、植物性のもの、合成油などが使用されます。

イタリアのトスカーナ地方に伝わるバケッタ製法という手法で作られたバケッタレザーが有名です。

艶があり、手触りもしっとりとしています。色落ちはしやすいですが、時間が経つと、革に浸み込んだオイルが徐々に浮き上がり、艶が増していきます。

革独特のエイジングが楽しめます。
 
 

シュリンクレザー

 
熱や薬品を用いて、革の表面を収縮(シュリンク)させて模様(シボ)を強調した革のことです。

シュリンク加工を施すことで革の傷が目立ちにくくなり、柔らかくなります。

主にバッグなどに使用されます。
 
 

起毛革

 
革の表面、または裏面をサンドペーパーで磨いて起毛させた革のことです。

使う動物の皮の種類や、どちらの面を磨くのかによって、呼び方が違います。

しっとりとした手触りと、あたたかみが感じられる見た目が特徴です。
 
 

スエード

 
子牛や羊、豚などの小動物の革の、裏側(肉面)をサンドペーパーで磨いて起毛させた 革です。

ベロアに比べて毛羽が繊細で短く、均質なことが特徴です。

ウェアや手袋、バッグ、靴などに使用されます。
 
 

ベロア

 
成牛革などの裏側(肉面)をサンドペーパーで磨いて起毛させた革のことです。
小動物 の革を使用するスエードと比較すると毛羽が長いです。

ウェアや手袋、バッグ、靴などに使用されます。
 
 

ヌバック

 
スエードやベロアとは反対に、革の表面をサンドペーパーで軽く磨いて起毛させた革の ことです。
スエード、ベロアに比べると見た目が繊細で、毛足は短くきめ細かいです。

女性用の靴やハンドバッグに使用されます。
 
 

型押し革

 
革の表面に様々な模様を型押しした革のことです。
エンボスレザーとも呼ばれます。

凹凸を刻印した金属板を押し当て、熱と圧力で革に模様をつけます。

牛革に、ワニやトカゲなどエキゾチックレザーの型押しをしたものや、画像のように、しぼ(シュリンク)模様の型押しを施したものなどがあります。

財布やバッグ、靴、家具など幅広い用途に使用されます。
 
 

まとめ

 
今回は、革の加工の種類と出来上がる革の特徴についていくつかご紹介しました。
加工の方法によって、色々な表情を持った革が出来上がるのが興味深いですね。

見た目や手触りを良くするためだけでなく、丈夫さや耐水性などの機能性を高めるという点でも、革の加工は大事な役割を果たしています。

次にレザー商品を選ぶ際の参考にしてみてください。

レザー ウェア 革 種類

レザーウェアに使われる革の種類と特徴は?

革製品の中でも、選ぶのが難しいのがレザーウェアではないでしょうか。

財布やバッグなど手に持つものと違い、革を着るとなると、
手触りや見た目の良さに加えて、着心地もポイントになってきます。

着用していくうちに自分の身体に馴染んでいくのがレザーウェアの魅力でもあります。
今回はレザーウェアに使われる革の種類とその特徴についてご紹介したいと思います。

 

レザーウェアに使われる革の種類

 
レザーウェアには、牛革をはじめ馬革、豚革、羊革、鹿革、山羊革などが使用されます。
使われる革の種類によって、軽さや柔らかさ、耐久性などに違いがでてきます。

今回は代表的な革として牛革馬革豚革羊革の4種類を取り上げたいと思います。
それぞれの革にはどのような特徴があるのでしょうか。
早速、牛革からみていきましょう。
 

 

牛革

 
本革といえば牛革というほどに定番の皮革素材ですね。
牛革は、生育年数や雌雄の違いによってさまざまな特徴の革が出来上がります。

中でも高級とされているのが、生後6ヶ月くらいまでの子牛から採れるカーフスキンです。
成牛の革と比べると薄く、耐久性では劣りますが、
銀面(表面)がなめらかで柔らかいのが特徴です。

一方で、牛革の中で最もポピュラーなのは、ステアハイドです。
生後2年程度で、生後3~6ヶ月の間に去勢されて育つ雄牛から採れる皮のことを指します。
去勢されて育つため、けんかによる傷などが少なく、
カーフには劣りますが、キメ細やかで美しい銀面をしています。

怪我や風から身体を守るライダースジャケットには、
厚みがあって丈夫なステアハイドが多く使用されています。

 

馬革

 
馬革は、大きく分けてホースハイドホースフロントコードバンに分類されます。
ウェアに使用されるのは、ホースハイドとホースフロントです。

牛革とよく似た見た目ですが、牛革と比べると繊維の密度が荒いため強度は劣ります。
また、摩擦にも弱いです。
軽くて柔らかいためジャケットやパンツなど
さまざまなウェアに使用されています。
 
特徴的なのは、牛革と比べて伸びが少なく、その形状を保とうとする力があるところ。
使い込むと革独特の経年変化をしつつも、ハリがあるため型崩れしません。
ほぼ買った時の形のまま着続けることができます。

 

豚革

 
豚革の特徴は、銀面に三角形に並んだ毛穴の跡があり、
他の皮革に比べると通気性が良いところです。

また、摩擦に強く、傷が付きにくいといったメリットもあります。
牛革と比べると薄くて軽く、柔らかい質感です。
ジャケットやシャツなどに使用されます。
他の皮革に比べると安価なのも豚革の特徴です。

 

羊革

 

羊の革は、牛革などと比べるととても薄くて軽く、しなやかで柔らかいといった特徴があります。
生後1年以上飼育された羊の革をシープスキン
それより若い子羊の革をラムスキンといいます。

 

ラムスキンは、柔軟で伸縮性に富んでいて、軽いため
高級なレザージャケットなどに多く使用されています。

一方シープスキンは、フランス語ではムートンと呼ばれます。
毛皮を残したまま裏面をスエード加工したものは、
ジャケットやコートによく使用されます。
毛皮が残っているのでしっかり防寒できます。

 

まとめ

 

今回はレザーウェアに使用されている牛革、馬革、豚革、羊革についてご紹介しました。
薄くて柔らかい質感のものや、適度な厚みと耐久性があるものなど、
革の種類によってさまざまなタイプのウェアがあります。

 
また、なめしの方法によっても革の特徴は違ってきます。
植物性のタンニンでなめした革は、はじめは固くごわごわとしていますが、
着ていくうちにくったりと体に馴染んできます。

一方でクロムなめしの革ははじめから柔らかく伸縮性があるのが特徴です。
革らしいエイジングは控えめです。
 
革素材の魅力は、使い込むうちに自分の体に馴染んでいくところ。
レザーウェアを選ぶ際には、見た目だけでなく、
どのような革が使われているのかにも注目してみてくださいね。

レザークラフト 革 種類

レザークラフトをする時に知っておきたい革の知識とは?

前回は、レザークラフトの革に注目して種類などをご紹介しました。
今回は、革を使って実際に作品を作る時に知っておくと良い革の部位の名称や繊維の方向、革の厚みや革の単位についてご紹介します。
まずは、革の部位の名称についてみていきましょう。

 

革の銀面、床面、コバとは?

 

レザークラフト関連の本やサイトよく目にする用語に、銀面、床面、コバがあります。
それぞれ革の部位を表す専門的な言葉です。

 

銀面

左が床面、右が銀面

革の表面のことを指します。動物が生きていた時の皮膚にあたります。
動物の種類によっては、シボと呼ばれる特徴的なシワ模様がみられます。
また、特に豚革などでは特徴的な毛穴の跡がみられます。

銀面は、革の繊維が緻密で手触りもすべらかです。見た目も美しいことから、通常は銀面を表側にして利用します。

 

床面

 

革の裏面のことを指します。銀面と比べると繊維が荒く、ごわごわした手触りをしています。何も処理を施していない状態だと毛羽立っています。
作品にする際には、専用の処理剤を使用して磨くことで毛羽立ちを抑えることが出来ます。

ちなみに、床面をサンドペーパーなどで磨いて起毛させた革がスエードベロアです。

 

コバ

革の切り口のことを指します。
革をカッターなどで裁断した時の切断面を見ると、革の繊維がよく分かります。
切りっぱなしの状態では見た目も手触りもよくありません。
革の繊維も切り口からほつれていってしまうこともあります。

作品にする際には、コバを磨いて仕上げます。
丁寧に磨くことで光沢のあるつややかなコバに仕上げることができます。
作品の見栄えも格段によくなりますよ。

 

革の繊維の流れを知る

 

動物の革は繊維が複雑に絡まりあって出来ています。
一頭の動物の革でも、その部位によって繊維の密度や強度に違いがあります。

例えば、牛革の部位では、肩や背中の部分は密度が高く、厚みがあって丈夫で、
お腹の部分は繊維のからまりがゆるく、薄いといった違いがあります。

また、繊維の流れる方向によって革には伸びやすい方向と伸びにくい方向があります。

矢印が繊維の走っている方向です。
矢印の方向には革は伸びにくく、矢印と垂直の方向に革は伸びやすいです。

といっても、財布などの小さなものを作る時には
図のような大きな革は使いませんよね。
大抵は小さめにカットされた革を使うと思います。
そんな時に繊維の流れを見分けるには、革を曲げてみるのが簡単です。

革を曲げてみると、曲げやすい方向とそうでない方向があると思います。
曲げやすい方向と平行に革は伸びやすく、垂直方向に伸びにくいです。 革を小さく切って、ひっぱってみるという方法もあります。

 

革の厚み

売られている革の厚みは、2~4mmのものがほとんどです。
革の厚みは、作ったものの見た目や使いやすさを左右する大切なポイントです。

革は、漉くことで好みの厚さにすることができますが、
全体的に均一な厚さにするのは手作業ではできません。
あらかじめ必要な厚さに漉いてあるものを購入するか、
購入する際に革専門の業者に好みの厚さに漉いてもらいましょう。

小物であれば、1.0mmと1.5mmの厚さを選べば、大抵のものは作ることができます。
財布の外側であれば1.5mm、内側は1.0mmといったように使い分けできます。

 

革の単位

 

最後に革の単位についてご紹介します。
販売されている革の大きさは、デシ(ds)という単位で表示されています。

1デシ=10cm×10cmです。
例えば、A4サイズは約6デシです。

また、デシの他に半裁というサイズで販売されることもあります。
これは、一頭分の皮を背中で半分に裁断した革のことです。
牛革の場合、半裁サイズは250~300デシとなります。

 

まとめ

 

今回は、レザークラフトをする際に役立つ革の部位の名称、繊維の流れ、厚み、単位についてご紹介しました。
日常的に革製品を使っていても、あまり意識していないことばかりでしたね。
革の特質を理解して自分の手で作ることで、
より革製品に愛着を感じられるようになるはずです。
今回の記事が参考になれば幸いです。

革 柔らかくする 方法

革を柔らかくする方法とは?

革製品は使っていくうちに徐々に革が柔らかくなり、手に馴染んでいくものです。
ですが、買ったばかりの革の靴やバッグ、財布などの革はハリがあって固いものが多く、少し使いづらいこともありますよね。
そこで、今回は革を柔らかくする方法についてご紹介したいと思います。

 

革を柔らかくするには?

革は、コラーゲン繊維が複雑に絡まりあってできています。

特に、植物性のタンニンでなめしたヌメ革などは、
はじめは繊維が詰まってごわごわとした固い質感です。

使っているうちに徐々に革の繊維が解れ、柔らかくなっていきます。
また、手に触れるものは、人の手から出る皮脂が染みこむことで、
柔らかくなり、艶が出てくるものです。

 

つまり、革を柔らかくするには、
革を揉んで繊維を解す、オイルを塗るといった方法が効果的です。

 

革を揉む

革は揉むと繊維が解れて柔らかくなります。
財布やバッグであれば、柔らかくしたい部分の革を手で揉んでみましょう。

 

さらに、革は温めると柔らかくなり、繊維が解れやすくなりますので、
温めた状態で揉むとより効果的です。

革は、手で触れているだけでも柔らかくなりますし、
冬場は暖房のきいた室内に革製品を置いておいたり、
夏場は冷房をしていない室内に置いておくだけでも柔らかくなります。

 

革の衣料や靴であれば、実際に使い始める前に
着用して体温で温めながらなじませると良いですね。

 

革にオイルを塗る

革は、乾燥すると固くなる性質があります。
革製品は、作られてから時間がたっていたり、
お店に長い間陳列されていたりすると革が乾燥してしまっていることがあります。

 

使い始める前にオイルを塗ることで、
革の繊維の間にオイルが染み込んで柔らかくなるだけでなく、
使用中のキズや汚れを防いでくれる効果もあります。

 

オイルの塗り方は、革のお手入れの記事でご紹介したものと同じ方法です。
オイルは、お手持ちの革製品と相性の良いものを選びましょう。

※革のお手入れの記事
革のお手入れ方法をご紹介!革を長持ちさせるためにやるべきことは?

 

オイルの塗り方

①製品をやさしくブラッシング(または柔らかい布で乾拭き)します。

②乾いた柔らかい布にオイルを少量とり、薄く塗ります。

③オイルが染み込むまで待った後、再びやさしくブラッシング(または乾拭き)します。

 

オイルをつけすぎるとシミになってしまうことがありますので、
必ず目立たない場所で試してみてください。

 

革を早く柔らかくしたいからといって
頻繁にオイルを塗ると革が柔らかくなりすぎたり、
カビが生えやすくなったりするので注意が必要です。

 

オイルを塗っただけではまだ革が固い・・・という場合は、
オイルが塗った後に、革を揉んでみましょう。

また、革を温めた状態でオイルを塗ると
オイルが染み込みやすいです。
革の状態をみながら試してみてくださいね。

 

まとめ

今回は革を柔らかくする方法についてご紹介しました。
革を柔らかくして、馴染ませるには実際に使うのが一番ですが、
下ろしたてで馴染んでいない革製品や、革が固くて使いづらい時に
試してみてはいかがでしょうか。

使い込んだ革にはなんともいえない味わい深さがあります。
どんどん使って馴染ませてくださいね。