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株式会社ごとう製革所

兵庫県たつの市揖保町東用97-2

TEL.0791-67-0551

【革ができるまでの工程】革をなめす前の下準備とは?

革ができるまでの工程

動物の皮は、なめしなどの様々な工程を経て革になります。

タンナーは、革の厚みや手触り、見た目など、求められる革の要素にあわせ、最適な方法を組み合わせて革を作りあげます。

それぞれのタンナーには得意な分野や独自の方法がありますが、大まかな製革工程はほぼ同じです。

今回は、革ができるまでの22の工程のうち、原皮の状態からなめし前までを順番にご紹介します。
 
 

革ができるまでの工程: ①原皮〜⑧なめし前

 

①原皮

 
革ができるまで 原皮
 
原皮は、主にアメリカやヨーロッパ、アジアなどから輸入されます。
もちろん、国内産のものもあります。
腐らないように塩漬けされた状態で入ってきます。
 
 

②水漬け・背割り

 
革ができるまで 水漬け
 

水漬け

 
塩漬けされた原皮には、動物の毛や血肉、汚物などが付着しています。
これらを洗い流して水分を補い、生皮の状態に戻します。
こうすることで、後の薬品処理の工程をスムーズに行うことができます。
 

背割り

 
牛や馬などの面積の大きな皮は、作業しやすいように一等分の皮を背筋に沿って半分に分けます。
この作業を「背割り」といいます。

背割りのタイミングはタンナーによって異なります。
 
 

③裏打ち

 
フレッシングマシン(裏打機)という専用の機械を使用して、皮の肉面(裏面)に付着している肉片や脂肪を削り取ります。
タンナーによっては、石灰漬けの後に行うこともあります。
 
 

④脱毛・石灰漬け

 
石灰漬けにして皮のコラーゲン繊維をほぐします。
石灰乳に浸漬して、残っている毛や脂肪、表皮層を分解除去します。
こうすることで、皮革独特の柔軟性を得ることができます。

この時、毛を抜き取った面が皮の表面となり、銀面と呼ばれます。
 
 

⑤分割

 
スプリッティングマシンという機械を使用して皮を銀面(表面)と床面(裏面)の2層に分割します(なめした後に分割することもあります)。
皮革の厚さを調整する作業でもあります。
銀面は、皮革製品に、床面は皮革製品の他に、工業用・医療用コラーゲン繊維として多方面に使用されます。
 
 

⑥再石灰漬け

 
ここて、④の工程と同じく再び石灰漬けを行います。
石灰乳に浸漬させ、アルカリの作用で皮のコラーゲン繊維の絡みをほぐします。

特に、ソフトな風合いの革やスエード調の革を作る際には、必要不可欠な工程です。
 
 

⑦脱灰・酵解

 

脱灰(だっかい)

 
脱毛、石灰漬け、再石灰漬けで皮の中に残った石灰を取り除く工程です。
石灰で強アルカリ性に傾いた皮を中和して、後のなめしの工程に備えます。
 

酵解(こうかい)

 
酵解は、ベーチングとも呼ばれています。
石灰漬けでも取り除けなかった毛穴やタンパク質分解物、脂肪などを、タンパク質分解酵素を使用して分解除去します。

こうすることで銀面がなめらかになります。
 
 

⑧浸酸

 
クロムなめしの場合、塩基性硫酸クロム塩という酸性の薬剤を使用します。
なめし作業の前に皮を酸性の溶液に浸漬することで、なめし剤を吸収しやすい状態にします。
 
 

まとめ

 
不要なものを取り除いて皮の繊維を解し、phを調整してなめし剤が浸透しやすい状態にする、ここまでがなめしの下準備ともいえる工程です。
こういった下処理や準備は、この後のなめし工程をスムーズに行うためだけでなく、出来上がりの革の品質にも関わる大切な作業です。

次は、製革の要ともいえる、なめし工程について詳しくご紹介します。
なめすことで、皮は腐りにくく柔軟で、耐熱性や耐水性を備えた革へと生まれ変わります。