レザークラフトをする時に知っておきたい革の知識とは?
2018.07.11
前回は、レザークラフトの革に注目して種類などをご紹介しました。
今回は、革を使って実際に作品を作る時に知っておくと良い革の部位の名称や繊維の方向、革の厚みや革の単位についてご紹介します。
まずは、革の部位の名称についてみていきましょう。
革の銀面、床面、コバとは?
レザークラフト関連の本やサイトよく目にする用語に、銀面、床面、コバがあります。
それぞれ革の部位を表す専門的な言葉です。
銀面
革の表面のことを指します。動物が生きていた時の皮膚にあたります。
動物の種類によっては、シボと呼ばれる特徴的なシワ模様がみられます。
また、特に豚革などでは特徴的な毛穴の跡がみられます。
銀面は、革の繊維が緻密で手触りもすべらかです。見た目も美しいことから、通常は銀面を表側にして利用します。
床面
革の裏面のことを指します。銀面と比べると繊維が荒く、ごわごわした手触りをしています。何も処理を施していない状態だと毛羽立っています。
作品にする際には、専用の処理剤を使用して磨くことで毛羽立ちを抑えることが出来ます。
ちなみに、床面をサンドペーパーなどで磨いて起毛させた革がスエードやベロアです。
コバ
革の切り口のことを指します。
革をカッターなどで裁断した時の切断面を見ると、革の繊維がよく分かります。
切りっぱなしの状態では見た目も手触りもよくありません。
革の繊維も切り口からほつれていってしまうこともあります。
作品にする際には、コバを磨いて仕上げます。
丁寧に磨くことで光沢のあるつややかなコバに仕上げることができます。
作品の見栄えも格段によくなりますよ。
革の繊維の流れを知る
動物の革は繊維が複雑に絡まりあって出来ています。
一頭の動物の革でも、その部位によって繊維の密度や強度に違いがあります。
例えば、牛革の部位では、肩や背中の部分は密度が高く、厚みがあって丈夫で、
お腹の部分は繊維のからまりがゆるく、薄いといった違いがあります。
また、繊維の流れる方向によって革には伸びやすい方向と伸びにくい方向があります。
矢印が繊維の走っている方向です。
矢印の方向には革は伸びにくく、矢印と垂直の方向に革は伸びやすいです。
といっても、財布などの小さなものを作る時には
図のような大きな革は使いませんよね。
大抵は小さめにカットされた革を使うと思います。
そんな時に繊維の流れを見分けるには、革を曲げてみるのが簡単です。
革を曲げてみると、曲げやすい方向とそうでない方向があると思います。
曲げやすい方向と平行に革は伸びやすく、垂直方向に伸びにくいです。 革を小さく切って、ひっぱってみるという方法もあります。
革の厚み
売られている革の厚みは、2~4mmのものがほとんどです。
革の厚みは、作ったものの見た目や使いやすさを左右する大切なポイントです。
革は、漉くことで好みの厚さにすることができますが、
全体的に均一な厚さにするのは手作業ではできません。
あらかじめ必要な厚さに漉いてあるものを購入するか、
購入する際に革専門の業者に好みの厚さに漉いてもらいましょう。
小物であれば、1.0mmと1.5mmの厚さを選べば、大抵のものは作ることができます。
財布の外側であれば1.5mm、内側は1.0mmといったように使い分けできます。
革の単位
最後に革の単位についてご紹介します。
販売されている革の大きさは、デシ(ds)という単位で表示されています。
1デシ=10cm×10cmです。
例えば、A4サイズは約6デシです。
また、デシの他に半裁というサイズで販売されることもあります。
これは、一頭分の皮を背中で半分に裁断した革のことです。
牛革の場合、半裁サイズは250~300デシとなります。
まとめ
今回は、レザークラフトをする際に役立つ革の部位の名称、繊維の流れ、厚み、単位についてご紹介しました。
日常的に革製品を使っていても、あまり意識していないことばかりでしたね。
革の特質を理解して自分の手で作ることで、
より革製品に愛着を感じられるようになるはずです。
今回の記事が参考になれば幸いです。
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