レザークラフトで使う革の種類や特徴、染色方法は?
2018.01.12
ちょっとした革小物を、自分の好きな色や形で作れると素敵ですよね。
今回は、レザークラフトの革に注目してご紹介したいと思います。
レザークラフトで使用される革の種類は多岐にわたりますが、定番なのはやはり牛革です。
中でも、タンニンなめしのヌメ革は、使い込んでいくと色味が変わり、艶が増していくことから、革の風合いを楽しみたい人に人気のある革です。
今回はレザークラフトの革について、なめしの違いによる特徴や、タンニンなめしの革の種類、革の染色方法をご紹介します。
まずは、革のなめし方法についてみていきましょう。
なめしとは?
動物の体から剥がした皮は、当たり前ですがそのままでは製品には使えません。
皮から余分なものを取り除いて、柔らかく、腐りにくくして加工しやすくする工程が、「なめし」です。
このなめしの工程を経て、皮は革へと生まれ変わります。
現在主流となっているなめしの種類は、フルタンニンなめし、クロムなめし、ヘビーレタンなめし(コンビネーションなめし)の三種類です。
なめしの種類によって出来上がる革の特徴も違ってきます。
詳しくみていきましょう。
フルタンニンなめし
植物から抽出したタンニン(渋)を用いてなめす、伝統的ななめし方法です。
皮の中心にまでタンニンを染み込ませるため、濃度の異なるタンニン液に順に漬け込んでいく必要があり、なめすのに数ヶ月かかることもあります。
タンニンでなめすと、かたく、丈夫な革が出来上がります。
色や艶の変化といったエイジングを感じられる素材です。
適度にこしがあって扱いやすく、染色もしやすいことから、レザークラフトで最もメジャーな素材です。
クロムなめし
塩基性硫酸クロム塩という化学薬品をなめし剤に使用する方法です。
フルタンニンなめしに比べるとなめしにかかる時間が短いです。
柔らかく、伸縮性と耐熱性のある革が出来上がります。
経年による色や艶のエイジングは控えめです。
フルタンニンなめしに比べて柔らかく伸縮性があるのが特徴ですが、穴を開けたり縫い合わせたりするレザークラフトでは、力加減が難しいため、特に初心者には扱いにくい素材です。
ヘビーレタンなめし(コンビネーションなめし)
複数のなめし剤を使用してなめす方法です。
例えば、クロムなめしをした後に再びタンニンでなめす、といったように、複数のなめし剤を使用します。
クロムなめしのしなやかさと、フルタンニンなめしの経年変化しやすい性質を兼ね備えた革など、単独のなめし剤では得られない性質を持つ革を作り出すことが出来ます。
このように、なめしの種類によって出来上がる革の性質は異なります。
レザークラフトでは、基本的には手で革に穴を開けたり、縫ったりといった作業を行います。
作りたい作品の種類にもよると思いますが、柔らかすぎると逆に扱いづらいため、
堅さがあって伸びの少ないフルタンニンなめしの革が適しています。
また、使っていくうちに色や艶が変化するのを楽しみたいという方も、
フルタンニンなめしの革を選ぶと良いですね。
そんなフルタンニンなめしの革にもいくつか種類がありますので、
代表的なものをご紹介したいと思います。
フルタンニンなめし革の種類
ヌメ革
タンニンでなめした革で、表面にほとんど処理をほどこしていない革のことです。
動物が生きていたときのシワやキズなどが残っているため、革らしい自然な表情を楽しむことができます。
また、使っていく内に色味が変化し艶が深まっていくエイジングが見られるのも特徴です。
タンロー
ヌメ革の一種で、正式名称は「タンニンなめしろうけつ染め用革」です。タンニンを使用してなめした革で、油分を抜いて染色しやすくしています。
染色することを前提としているので、通常のヌメ革よりも白に近いです。
ヌメ革と同じように経年変化していきます。
オイルレザー
植物タンニンでなめした革に、たっぷりとオイルを浸み込ませた革です。オイルは、牛や魚などの動物性のものや、植物性のもの、合成油などが使用されます。
艶があり、手触りもしっとりとしています。
色落ちはしやすいですが、時間が経つと、革に浸み込んだオイルが徐々に浮き上がり、艶が増していくといった特徴があります。
以上、フルタンニンなめしの代表的な革を3種類後紹介しました。
どれも色や艶が変化していくエイジングを楽しめる素材です。
最後に革の染色方法について少しご紹介しますね。
革の染色について
革の染色方法には、染料仕上げと顔料仕上げがあります。
染料仕上げ
染料を用いて革の繊維を染め上げる方法です。
透明感のある薄い膜で革の表面を覆う方法で、革の持つキズやしわといった表情はそのまま残ります。本来のキズが少ない高級革にみられる染色方法です。
キズがつきやすく、水濡れにも注意が必要です。
染料仕上げの中でも、革の繊維の中心まで染める方法を「芯通し」、
中心まで染めないものを「半芯通し」といいます。
レザークラフトでは革の切り口(コバ)を処理する必要があるため、
中心まで染色してある芯通しを選ぶと、コバの処理が少しだけ楽になります。
半芯通しの革は、染料で繊維がほぐれすぎないため、耐久性や弾力性を保つことができますが、コバ処理の際には、一度染色した後に磨く必要があります。
顔料仕上げ
顔料を用いて、革の表面にペンキを塗るよう色を着ける方法です。革のキズやしわを隠すことができますが、革らしさは損なわれます。
多少の耐水性もあり、傷はつきにくいのがメリットですが、顔料に覆われているため経年変化はあまり楽しめません。
まとめ
今回はレザークラフトで使う革について、なめし方法の違いによる特徴や、レザークラフトで人気のあるタンニンなめし革の種類、革の染色方法についてご紹介しました。
これからレザークラフトを始めようとしている方や、どんな革を選べばよいのか迷っている方の参考になれば幸いです。
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