製品別の革の話

革財布に使われる革の種類や特徴とは?

2017.12.22

革 財布 種類

色味やデザイン、機能性など、財布を選ぶときのポイントはいくつかありますが、本革の財布を選ぶときは、何の革で出来ているのかも気になりますよね。

今回は、財布に使われる革の種類と特徴についてご紹介したいと思います。
 
 

革財布に使われる革の種類

 
革財布には牛、馬、豚、ワニなど様々な種類の革が使われています。
中でも一番ポピュラーなのはやはり牛革です。

まずは、牛革を中心に財布に使われる革の種類と特徴をいくつかご紹介します。

それでは早速、牛革からみていきましょう。
 
 

牛革の財布と特徴や魅力

 
本革といえば牛革、というほどに身近な牛革。
柔らかく上品な雰囲気のカーフスキンキップスキン、柔らかく丈夫なカウハイド、キメ細やかで丈夫なステアハイドなど、飼育年数や雌雄によって様々な特徴を持つ革が出来上がります。

牛革は加工方法にもよりますが、他の皮革に比べて経年変化(エイジング)を感じやすい素材です。
特に、財布は毎日手で触れるもの。使うほどに風合いが増していくのを実感できるのは、牛革の財布を持つ楽しみの一つかもしれません。

牛革の財布を選ぶときによく耳にする、ヌメ革ブライドルレザーといった単語ですが、これは、革を作る時のなめし方法や加工方法の違いによる革の種類です。

代表的なものをいくつかご紹介しますね。
 
 

ヌメ革

 
ヌメ革は、植物性タンニン(渋)を使用してなめした革のことです。
一目で本革と分かる、革らしい見た目をしています。表面がほとんど加工されていないため、牛が生きていた時の傷やしわなどが残っており、革の自然な表情が楽しめます。

使い始めは固く、ゴワゴワとした手触りですが、使い続けるうちに革の繊維がほぐれて柔らかくなります。
また、太陽の光や、手で触れたときに着く油などで色味も変わっていきます。

まさに「革を育てる」感覚を一番味わえる革と言えます。
 
 

ブライドルレザー

 
植物タンニンなどでなめした牛革に、ロウ(ワックス)を浸透させた革です。
イギリスで1000年以上前から続く伝統的な製法です。

何度もロウを塗りこむことで繊維間の強度と防水性が高まり、表面には美しい光沢がうまれます。
元は馬具のために作られた革のため、固く、丈夫で長持ちします。
塗りこんだロウが白い粉として表面に浮き出ることがありますが、乾いた布でこまめにふき取っていると、深い艶が出てきます。
 
 

オイルレザー

 
植物タンニンでなめした革に、たっぷりとオイルを浸み込ませた革です。
オイルは、牛や魚などの動物性のものや、植物性のもの、合成油などが使用されます。
イタリアのトスカーナ地方に伝わるバケッタ製法という手法で作られたバケッタレザーが有名です。
艶があり、手触りもしっとりとしています。色落ちはしやすいですが、時間が経つと、革に浸み込んだオイルが徐々に浮き上がり、艶が増していきます。
 
 

馬革(コードバン)の財布の特徴や魅力


コードバンは、男性用の財布の素材としてよく使用されています。

すべての馬革をコードバンと呼ぶのではなく、馬の中でも、農耕馬の臀部から採れる皮のみを指します。
一頭からわずかな量しか採れないために、とても希少な高級素材です。

コードバンは、繊維が緻密で表面はなめらか、しっとりとした質感が特徴です。
また、牛革の2~3倍の強度があると言われており、耐久性と美しさを兼ね備えた革と言えます。
使い始めはやや固めですが、使い込むと手になじみ、独特の美しい艶がでてきます。
 
 

豚革(ピッグスキン)の財布の特徴や魅力


豚革の特徴は、通気性がよいこと、摩擦に強いこと、軽いことです。
表面に三角形に並んだ毛穴の跡があるのも特徴です。

豚革の裏面を起毛させたピッグスエードは、しっとりとした手触りとソフトな見た目のため、女性用の財布によく使用されています。起毛させることで、毛穴の跡も目立ちにくくなります。

他の皮革に比べると傷がつきにくいので、毎日使う財布にはもってこいの素材と言えます。
また、牛革や馬革などに比べて安価なのも豚革の魅力です。
 
 

ワニ革の財布の特徴や魅力

 

爬虫類から採れるエキゾチックレザーの代表格ともいえるワニ革。

中でも、クロコダイルは財布の素材としてよく使用されています。
その希少性や見た目の美しさから、高級皮革とされており、凹凸のあるウロコ模様が見た目の特徴です。

財布は、ハンドバックなどよりも使用する革の量は少ないですが、牛革や馬革の表面と比べると、クロコダイル革には圧倒的な存在感がありますね。

強度が高く、メンテナンス次第で長持ちします。水生生物の革ですが、水分に弱いため水濡れしないよう注意が必要です。
 
 

まとめ

 
今回は牛革を中心として、財布に使用される革の種類をいくつかご紹介しました。

一番多く使われているのは牛革ですが、馬革、豚革、ワニ革など財布には様々な種類の革が使われています。
丈夫であったり、経年によって質感が変わったり艶が出てきたりとそれぞれの革には特徴があります。

毎日使う財布だからこそ、素材の特徴を知って選びたいですね。

投稿者: ごとう製革所
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