革のお手入れ

革の水シミの落とし方とは?革バッグや革靴のお手入れの豆知識

2019.07.08

革 水シミ

革製品の弱点は「水」です。

革製品を使っていると、雨や飲み物による水シミは、どうしても避けられないものです。
革に水がしみ込む前にふき取ることが出来れば、跡が残らないこともありますが、気づいたらシミになっていた!ということもありますよね。

今回は、そんな水シミが出来てしまった時の対処法についてご紹介します。
そもそも、革は水に濡れるとなぜシミが出来てしまうのでしょうか?
 
 

水シミになる原因とは?

革 水シミ 原因
 
水分に弱いと言われている革製品の中でも、水シミが出来やすいものと出来にくいものがあります。

その違いは、革表面がどれだけコーティングされているかです。

革の表面が、塗料や樹脂で厚く覆われている革製品は、多少水に濡れても塗料や樹脂のおかげでほとんど染み込むことがありません。

一方、ヌメ革などの、革の表面にほとんど塗料などを施さず、素材の風合いを生かした革製品には、水分が染み込みやすく、水シミになりやすいのです。

シミになりやすい革の場合は、使用前に防水スプレーやオイルを塗っておくと、多少の水濡れにも効果が期待できます。

ですが、事前に防水対策をしていても、濡れたらすぐに水分をふき取って、自然乾燥させるようにしましょう。
 
 

すぐできる対処法 「革全体を濡らす」

革の水シミ 全体を濡らす
 
『気づいたら水シミが出来てしまっていた!』という場合は出来るだけ早めに対処します。
水シミは、水に濡れている部分とそうでない部分の水分量の違いから、濡れた部分だけ革の色が濃くなっている状態です。

そのため、濡れた部分だけ色が濃くなっているのを目立たなくするには、革全体を濡らすという方法があります。
少々手荒ですが、濡れていない部分も濡らして、水シミを目立たないようにする、ということですね。

全体的に濡らすため、乾いた後は若干色味が濃くなります。
それでは、革全体を濡らす方法をご紹介しますね。
 
 

水シミを目立たなくする対処法「革全体を濡らす」手順

 

  • ①乾いた布で濡れた部分の水分をふき取る

  • ②固く絞った布で全体を均一に濡らしていく


    水シミが出来ている部分と同じくらいの色味になるように濡らします。
    擦(こす)りつけるのではなく、優しくポンポンと水分を染み込ませていくような感じです。
    強く擦ると色落ちの原因になりますので注意しましょう。

  • ③自然乾燥させる


    ドライヤーなどで熱を加えると革が痛みますので、風通しの良い日陰で乾燥させます

 
水シミが出来てすぐにこの方法で処置すれば、ほとんどわからない程度になります。

ただし、水に濡らしているので油分が抜けて革が乾燥している状態です。完全に乾いてから、オイルを塗るなどして潤いを補給しましょう。

次に、水シミが出来てから時間が経ったときの対処法についてみていきましょう。
 
 

シミ抜きの方法

革の水シミ 2種類のクリーナー
 
革にいつ出来たのか分からないシミを見つけたり、シミが出来ているのには気づいていたけど、『そのうち目立たなくなるだろう』と思って放置してしまったりすることもあると思います。

そんな時間が経ってしまったシミを目立たなくするには、これからご紹介する方法を試してみてください。

ただし、水に濡らす方法と同じく、革の色味が少し変わりますので、高価なものやデリケートな革製品についてはクリーニングに出すほうが無難です。
 
 

時間が経ったシミの対処法 「2種類のクリーナーを使う」

 

  • ①消しゴムタイプの革用クリーナーでシミの輪郭をぼかすように優しく擦(こす)る

    なるべく力をかけずに、小刻みに擦ってみましょう。
    力を入れすぎると色落ちしてしまうので気を付けてください。
    薄いシミであれば、擦るだけで目立たなくなることもあります。
    ですが、擦ることで表面が多少削れ、艶がなくなっていると思いますので、次の手順で栄養分を補給します。

  • ②デリケートクリームというクリームタイプのクリーナーを塗ります

    乾いた柔らかい布にクリームをつけてなじませ、薄く塗っていきます。
    クリームを塗ってすぐは、革の色味が濃くなると思いますが、10分ほどで落ち着きます。

 
以上が、時間が経ったシミへの対処法です。

これで、シミの部分とそうでない部分の差が少し目立たなくなります。

ただし、特にヌメ革の場合、クリームに含まれる栄養分で、革の色味は処置する前よりも若干濃くなっていると思います。

多少色味が濃くなっても構わないという方は、一度試してみてくださいね。
 
 

まとめ

 
今回は、革の水シミについて、革全体を濡らす方法と、2種類のクリーナーを使う方法についてご紹介しました。

革製品の水シミ対策は、事前に防水スプレーやオイルを塗ってシミが出来ないようにするのが一番の予防です。

それでも水に濡れてしまった場合は、出来るだけ早めに対処しましょう。

防水対策がしっかり出来ている場合は、革に水が染み込みにくくなっているため、すぐに乾いた布でふき取れば、シミになりにくいです。

気を付けていても水シミが出来てしまった、という時には、今回ご紹介した方法を試してみてください。

どちらも、一度で効果が出ない場合には、日にちを置いて数回繰り返してみても良いと思います。

革製品は、お手入れ次第で長く使い続けられるもの。
あきらめずに試してみてくださいね。

なお、私たちごとう製革所では、革に撥水(はっすい)加工を施した水シミをしにくいレザーも開発しています。

そのレザーは現在、TRADというブランドのシューズやカバンでも使われていて、『ナチュラン』、『STYLE STORE』といった人気通販サイトでも取り上げられました。

もし、水シミをしにくいレザーを使ったシューズにカバンに興味がある方は、こちらのページも覗いてみてくださいね。

投稿者: ごとう製革所
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