革の加工の種類やそれぞれの特徴について
2018.07.25
つやつやとした光沢のある革や耐水性のある革など、一言に革といってもさまざまな特徴の革がありますよね。
こういった革には、どのような加工が施されているのでしょう?
今回は、革の様々な加工方法についてご紹介したいと思います。
革の加工とは?
革を作る製革工程の中では、求められる品質に応じて革に様々な加工を施します。
表面を削ったり、塗料でコーティングしたり、オイルを染み込ませたり・・・加工を施すことによって、色々な特徴を持った革が出来上がります。
革に施す加工とは、キズなどの欠点を隠す意味合いもありますが、何よりも、革の持つ豊かな可能性を引き出すものと言えるでしょう。
それでは、加工の種類と革の特徴についてみていきましょう。
革の加工の種類と革の特徴
ガラス張り革
通称ガラス革とも呼ばれます。
主に牛革をなめした後、表面が平滑なホーローや金属板に特殊な糊で貼り付けて乾燥させます。
その後、銀面(革の表面)を軽く取り除いて、塗料を塗って仕上げた革のことです。
銀面が荒かったり、損傷が多い革に用いられます。
つやつやとした表面には、塗装が施されているので丈夫で汚れにも強いです。
靴の甲部分や、バッグなどに使用されることが多いです。
エナメル革
革の表面にエナメル塗装を施した革のことです。
パテントレザーとも呼ばれます。
塗装には、ウレタン樹脂などが使用されます。
表面を分厚くコーティングしているため、ある程度の防水性、耐久性を備えています。
光沢が美しいことから、礼装用や、女性用の靴の甲革、ハンドバッグなどに使用されます。
ブライドルレザー
植物タンニンなどでなめした牛革に、ロウ(ワックス)を浸透させた革です。
何度もロウを塗りこむことで防水性が高まり、美しい光沢がうまれます。
イギリスで1000年以上前から続く伝統的な製法です。
塗りこんだロウが白い粉として表面に浮き出ることがありますが、乾いた布でこまめにふき取ると、深い艶が出てきます。
元は馬具のために作られた革のため、丈夫で長持ちすることから、男性用のバッグや財布等に使用されることが多いです。
オイルレザー
植物タンニンでなめした革に、たっぷりとオイルを浸み込ませた革です。
オイルは、牛や魚などの動物性のものや、植物性のもの、合成油などが使用されます。
イタリアのトスカーナ地方に伝わるバケッタ製法という手法で作られたバケッタレザーが有名です。
艶があり、手触りもしっとりとしています。色落ちはしやすいですが、時間が経つと、革に浸み込んだオイルが徐々に浮き上がり、艶が増していきます。
革独特のエイジングが楽しめます。
シュリンクレザー
熱や薬品を用いて、革の表面を収縮(シュリンク)させて模様(シボ)を強調した革のことです。
シュリンク加工を施すことで革の傷が目立ちにくくなり、柔らかくなります。
主にバッグなどに使用されます。
起毛革
革の表面、または裏面をサンドペーパーで磨いて起毛させた革のことです。
使う動物の皮の種類や、どちらの面を磨くのかによって、呼び方が違います。
しっとりとした手触りと、あたたかみが感じられる見た目が特徴です。
スエード
子牛や羊、豚などの小動物の革の、裏側(肉面)をサンドペーパーで磨いて起毛させた 革です。
ベロアに比べて毛羽が繊細で短く、均質なことが特徴です。
ウェアや手袋、バッグ、靴などに使用されます。
ベロア
成牛革などの裏側(肉面)をサンドペーパーで磨いて起毛させた革のことです。
小動物 の革を使用するスエードと比較すると毛羽が長いです。
ウェアや手袋、バッグ、靴などに使用されます。
ヌバック
スエードやベロアとは反対に、革の表面をサンドペーパーで軽く磨いて起毛させた革の ことです。
スエード、ベロアに比べると見た目が繊細で、毛足は短くきめ細かいです。
女性用の靴やハンドバッグに使用されます。
型押し革
革の表面に様々な模様を型押しした革のことです。
エンボスレザーとも呼ばれます。
凹凸を刻印した金属板を押し当て、熱と圧力で革に模様をつけます。
牛革に、ワニやトカゲなどエキゾチックレザーの型押しをしたものや、画像のように、しぼ(シュリンク)模様の型押しを施したものなどがあります。
財布やバッグ、靴、家具など幅広い用途に使用されます。
まとめ
今回は、革の加工の種類と出来上がる革の特徴についていくつかご紹介しました。
加工の方法によって、色々な表情を持った革が出来上がるのが興味深いですね。
見た目や手触りを良くするためだけでなく、丈夫さや耐水性などの機能性を高めるという点でも、革の加工は大事な役割を果たしています。
次にレザー商品を選ぶ際の参考にしてみてください。
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