製品別の革の話

本革バッグの革選び!牛・豚・馬・ワニ革のメリット&デメリット

2017.12.29

本革 バッグ

本革バッグの値段はピンキリですが、合成皮革や布製に比べて高価なものが多いですよね。

買ってから後悔しないためにも、まずは素材について知ってから選びたいもの。

そこで、今回は本革のバッグに使われている革の中で、牛・豚・馬・ワニの4種類の革の特徴をご紹介したいと思います。
 
 

本革バッグに使われている革 それぞれの特徴

 

牛革の特徴


本革といえば牛革、というほどに身近な存在である牛革。

世界的な飼育頭数の多さや、生育年数や雌雄の違いによって様々な特徴の革が出来上がるため、幅広い製品に使用されています。

上品な雰囲気と質感があるハンドバッグから、ビジネス仕様のかっちりとしたバッグまで。
牛革一つで、日常の様々なシーンで活躍する様々なバッグを実現できます。

中でも高級とされているのが、生後6ヶ月くらいまでの子牛から採れるカーフスキンです。
成牛の革と比べると銀面(表面)がなめらかで柔らかいのが特徴です。
女性用のハンドバッグなどに多く使用されていて、上質で高級感のあるバッグが出来上がります。

これに対して、牛革の中で一番ポピュラーなのは、ステアハイドです。
「牛革」と表示されているもののほとんどが、ステアハイドでできていると言われるほど代表的な牛革と言えます。

生後2年程度で、生後3~6ヶ月の間に去勢された雄の成牛から採れる皮で、厚みが均一で丈夫なことが特徴です。

カーフスキンに比べると値段はお手ごろなこともあって、男性用、女性用を問わず、ビジネスバッグやカジュアルなバッグなど色々な種類のバッグに使用されています。
 
 

牛革バッグのメリット

 
牛革バッグのメリットは、丈夫で長持ちするところ。

また、上でもご紹介しましたが、様々な特徴を持つ革が出来上がるため、選ぶ楽しみがあるところでしょうか。
牛革は、他の革と比べて繊維組織にばらつきが少なく、厚みも均一です。そのため、耐久性のある丈夫な革が出来上がります。
 
 

牛革バッグのデメリット

 
牛革バッグのデメリットは、重さと水分に弱いところです。

お店で牛革のバッグを手に取ってみると分かりますが、ずっしりとした重みを感じるはずです。
使用する革の厚みや分量にもよると思いますが、豚革や馬革と比べると牛革は重めです。

次に、水分ですが、これは牛革に限らず、本革全般に言えることです。
撥水(はっすい)加工が施されている革もありますが、完全ではないので、出来るだけ水に濡れないようにしたいですね。

水に濡れたままの革をそのままにしてしまうと、カビが生えてしまうことがあります。
柔らかい布で水分をふき取って、通気性の良い日陰で乾燥させるようにすると良いでしょう。

革用のオイルやクリームには、水分を弾く作用がありますので、日頃からのお手入れも大切です。
 
 

豚革の特徴

 
牛革に比べるとあまりなじみがないかもしれませんが、豚革は牛革に次いで多く使用されている革です。

豚革の特徴は、他の皮革と比べて通気性がよいこと、摩擦に強いこと、薄くて軽いことです。

三角形に並んだ毛穴の跡が残っているのも特徴です。

豚革も色々なタイプのバッグに使用されますが、牛革や馬革に比べると、ややカジュアルな印象です。
豚革の裏面を起毛させたピッグスエードは、しっとりとした手触りとやわらかな見た目から、女性用のバッグに使用されることが多いです。
 
 

豚革バッグのメリット

 
豚革バッグのメリットは、薄くて軽いため、長時間持っていても疲れにくいところです。
また、他の皮革と比べると摩擦に強く、キズが付きにくいので、洋服などにすれてもダメージを受けにくいのもメリットです。

豚革の中には、洗えるものもあるので汚れがついても安心ですね。
値段も、牛革や馬革などに比べて安価です。
 
 

豚革バッグのデメリット

 
豚側バッグのデメリットは、牛革と同じく、水分に弱いところ。水に濡れると硬くなってしまったり、シミになってしまいます。
 
 

馬革バッグの特徴

 
馬革は、主にホースハイドホースフロントコードバンに分類されます。
男性用財布に使用されるコードバンは有名ですね。

コードバンは、農耕馬のお尻の部分から採れる革で、高級皮革とされています。
バッグでは、ランドセルのかぶせ部分に使用されることが多いです。

希少な革のため、オールレザーのコードバンバッグはかなり高額になります。

一般的には、馬の胴部分から採れるホースハイドがバッグに使用されることが多く、主に男性用のビジネスバッグなどに使われています。
 
 

馬革バッグのメリット

 
馬革バッグのメリットは、牛革とよく似た見た目でありながら、軽くしなやかなところです。
牛に比べると、毛穴が少ないため銀面(表面)はなめらかです。

薄くて軽いため、長時間持ち歩いても疲れにくいのもメリットです。
 
 

馬革バッグのデメリット

 
馬革バッグのデメリットはやはり水分に弱いところ。
加えて、牛革に比べて繊維密度が粗いため、柔らかいですが、強度は劣り摩擦にも弱いです。
 
 

ワニ革バッグの特徴

 
爬虫類から採れる皮を、エキゾチックレザーと呼びますが、ワニ革はその代表格ともいえます。
凹凸のある独特なウロコ模様が見た目の特徴です。

中でも、クロコダイル革は見た目の美しさと存在感から人気の高い革です。
牛や馬、豚と比べると、天然にしろ養殖にしろ圧倒的に生息数が少ないために希少で、高級皮革に分類されます。
 
 

ワニ革バッグのメリット

 
ワニ革バッグのメリットは、他の皮革と比べて薄い割には、表面も裏面もしっかりしていて丈夫なところです。
メンテナンス次第で長持ちします。

また、クロコダイル革で作られたバッグは、牛や豚と比較するとかなり高価なことから、そのステイタス性も大きな魅力です。
 
 

ワニ革バッグのデメリット

 
ワニ革バッグのデメリットは、やはり水分に弱いところ。

水生生物の革ですが、水分に弱いため、水濡れしないよう注意が必要です。
独特のウロコ模様を活かすために、表面に厚いコーティングをしないことが多いので、キズなども付きやすいです。
 
 

まとめ

 
今回は、バッグに使用される革の中で、牛革、豚革、馬革、ワニ革を取り上げてご紹介してきました。

基本的に、本革のバッグはお手入れ次第で長く使えるものです。

軽さや見た目の重厚感や手触りなど、基準は色々あると思いますが、どのようにバッグを使いたいのか、ということを考えて選ぶのが一番なのかもしれませんね。

なお、デメリットの部分でもご紹介しましたが、天然皮革の弱点は水分です。
水に濡れたら放置せずに、すぐに適切なケアをしましょう。

革のメンテナンスについて気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

投稿者: ごとう製革所
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